「スカーレットex」に収録されて以来ずっと環境トップを走り続けてきた「サーナイトex」ですが、レギュレーション変更の影響で大事なカードが使用できなくなり、シェア率が減少した印象です。
しかし現在、サーナイトexは、2024年5月3・4日に開催されたチャンピオンズリーグ札幌で準優勝したデッキとなり、再び脚光を浴びています。
今回「変幻の仮面」が発売され「サーナイトex」はどのように変化したのか、最新版の「サーナイトexデッキ」を詳しく解説します。
サーナイトexの強み
特性 サイコエンブレイス
「自分の番に何回でも自分のトラッシュから基本超エネルギーをつけることができる」ので、相性の良いポケモンをアタッカーにして戦っていきます。
「つけたポケモンにダメカンを2個のせる」という一見デメリットに見える部分も活かして攻撃できるところもポイントです。
ワザ ミラクルフォース 190
基本的には他のポケモンをアタッカーにして戦うデッキですが、場合によっては自らも高打点を出すこともできます。
進化前ポケモン(ラルトス)
現状3種類のラルトスが存在しており、それぞれに特徴があります。
- HP60:ワザ「メモリースキップ」が非常に強く、相手のワザを使えなくすることができる。
- HP70テレポートブレイク:少しでもHPが高いと1ターン目に倒されずらくなり、ベンチポケモンと入れ替えることができる点も優秀。
- HP70サイコショット:2つエネルギーをつけないと攻撃できないので、使用されることはあまりない。
進化前1進化ポケモン(キルリア)
他に「キルリア」は存在しますが、「特性 リファイン」があまりにも強いのでこちらのカード1択で使用します。
この「特性 リファイン」は、手札を1枚トラッシュして山札を2枚引くことができ、手札を増やすこともできる上に「基本超エネルギー」をトラッシュに送ることができるので「サーナイトex」の「サイコエンブレイス」ともかなり相性の良い特性になります。
相性の良いポケモン
フワンテ
ワザ バルーンボム 30×
「このポケモンにのっているダメカンの数×30ダメージ」
例えば6個ダメカンが乗っていたら
30ダメージ×6個=180ダメージ
ですが、「勇気のおまもり」や「ゴージャスマント」を付けることによって300ダメージやそれ以上のかなり高いダメージを出すことができるようになります。
例)勇気のおまもり:ダメカン11個 →30ダメージ×11個=330ダメージ
「サイコエンブレイス」はダメカンが2個ずつのるので、11個のせるために、スタジアム「公民館」「月明かりの丘」や「ダメージポンプ」を使って調整します。
どんなポケモンでも1撃で倒すことができるので「フワンテ」がメインアタッカーになります。
非ルールのポケモンなのでサイドを1枚しか取られないため有利に進めることができます。
サケブシッポ
ワザ ほえさけぶ
「相手のポケモン1匹にこのポケモンにのっているダメカン×20ダメージ」
「フワンテ」と大きく違う点が、ベンチのポケモンにもダメージを与えることができる点です。
そして「フワンテ」はHPが70なので「なかよしポフィン」で呼び出すことができますが、「サケブシッポ」はHP90の為できません。
ハバタクカミ
特性 あんやのはばたき
「このポケモンがバトル場にいるかぎり、相手のバトルポケモンの特性はすべてなくなる」
「特性」を止めることは相手の手を止めるためにかなりの妨害になります。
例えば、
・ロストゾーンを軸にして戦う「ロストバレット」は「キュワワー」の特性「はなえらび」が肝になっており特性を止められると何も進まなくなります。
・「ルギアVSTAR」であればVSTARパワーの「アッセンブルスター」が使えないと「アーケオス」を呼び出すことができなくなり、手が遅れてしまいます。
・「リザードンex」は「れんごくしはい」が使えないと、そもそもの進化もするかしないかの選択を迫られてしまいます。
このように「特性」が主軸になるデッキが多いので「特性を止める」というのはかなり強力な「特性」と言えます。
ワザ たたりとばす 90
「ダメカン2個を、相手のベンチポケモンにすきなようにのせる」
実は攻撃面でも、バトルポケモンには90ダメージを与えつつベンチポケモンにも狙撃できるのは強いワザと言えます。
ミミッキュ
特性 しんぴのまもり
「このポケモンは、相手のポケモンex、Vからのダメージを受けない」
相手のデッキタイプによって「ミミッキュ」でワザのダメージを受けない場面を作りつつ、自分のベンチポケモンを育てて盤面をつくっていきます。
ワザ ゴーストアイ
「相手のバトルポケモンにダメカンを7個のせる」
相手の手を遅らせつつダメカンを7個も乗せる攻撃ができるのは、優秀なワザと言えます。
注目のカード
ワザマシン エヴォリューション
「ハバタクカミ」や「ミミッキュ」がバトル場で相手の手を遅らせている間にこれらのポケモンに「ワザマシン エヴォリューション」を付けてワザを使い、自分のベンチに居る「ラルトス」を「キルリア」に進化させます。
このワザを使うと、本来同じターンで進化はできませんが、それが可能になります。
例)ラストスを2体ベンチに置く→「ワザ宣言」エヴォリューションで2体ともキルリアに進化
「サーナイトexデッキ」は、いかに「ラルトス」を盤面に置けるかが勝負の肝になってきます。
「ラルトス」にさえなっておけば、手札を増やすこともできる上に、いつでも「サーナイトex」になれる状態なので攻撃準備が整っている状態になります。
なかよしポフィン
最初に「ラルトス」をいかに並べられるかが後の展開に大きく影響するので、とても大切なカードになります。
「メモリースキップ ラストス」は後々にワザを使用して相手の手を止める為に使用する可能性があるので「HP70 ラストス」を優先的にベンチに並べます。
すごいつりざお
「フワンテ」が主軸のアタッカーになるデッキなので、大体は1発で倒されてしまいます。
そこでこのカードを使用して山札に戻し、何度も使用できるようにします。
カウンターキャッチャー
「サーナイトexデッキ」はカウンターデッキの為、サイドを先に取られる可能性が高いのでかなり相性のいいカードです。
「サポート」権を使用せずに「ボスの指令」を使えるのと同様の効力を発揮します。
大地の器
どんどんとトラッシュに基本超エネルギーをためて、「サイコエンブレイス」を使用して攻撃していくので、山札から基本エネルギーを2枚引っ張ってこられるのはかなり優秀なカードと言えます。
ペパー
攻撃に必要なカードをたぐり寄せるために、とても大事な「サポート」になります。
特に重要なのが「フワンテ」に「勇気のおまもり」や「ゴージャスマント」をつけることなので、「ペパー」さえあれば山札から確実に手札にもってくることができます。
「変幻の仮面」発売後の新カード
マシマシラ
特性 アドレナブレイン
このポケモンに「基本悪エネルギー」がついているなら、自分の場のポケモン1匹にのっているダメカンを3個まで選んで、相手の場のポケモン1匹にのせ替える。
毎回ダメカンを相手のポケモンにのせ替えることができるのは、毎回攻撃力が30アップしていることと同じなので、相手にとってみるとかなり厄介な特性だと言えます。
「サーナイトexデッキ」は、特性の「サイコエンブレイス」を使用して超エネルギーを加速するデッキのため、手張り権が残ります。そこで「大地の器」と組み合わせると「基本悪エネルギー」を「マシマシラ」につけることは難しいことではなくなるので、相性の良いカードと言えます。
キチキギス
ワザ エナジーフェザー 30×
このポケモンについているエネルギーの数×30ダメージ。
「サーナイトex」の「サイコエンブレイス」でエネルギー加速をして、のったダメカンを「マシマシラ」の特性で相手にのせかえて「キチキギス」の回復したダメカン分エネルギーをさらにつけることができるので、「マシマシラ」と一緒に使用すると攻撃力がアップします。
特性 アドレナフェロモン
このポケモンに悪エネルギーがついているなら、ワザのダメージを受けるときにコインを一回投げて表ならワザのダメージを受けない。
先述した通り、手張り権があるため悪エネルギーをつけることは難しいことではないので「ワザのダメージを受けない」という特性はかなり強力です。
悪エネルギーも「エナジーフェザー」の攻撃力アップのエネルギーの枚数に含まれる為、悪エネルギーはつけたほうが望ましいです。
※「マシマシラ」も「キチキギス」もテキストに「基本悪エネルギー」とは書いていないため、「特殊エネルギー」でもOKです。
デッキの回し方のポイント
《序盤》
「ラルトス」をできるだけベンチに置く
バトル場には「ハバタクカミ」や「ミミッキュ」などを置いて相手の手を遅らせつつ、ベンチに「メモリースキップのラルトス」よりも優先的に「HP70のラルトス」を先に並べます。
後攻最初の番から「キルリア」に進化する
バトル場の「ハバタクカミ」や「ミミッキュ」に「ワザマシン エヴォリューション」をつけて、ベンチの「ラルトス」を2体「キルリア」に進化させておきます。
一刻も早く「キルリア」に進化しておくことが勝敗に大きく影響するポイントです。
「マシマシラ」も序盤でベンチに置いておく
「特性」で毎回相手にダメカンをのせかえることができるので、序盤からこの特性を使っていくために置いておきます。
《中盤》
「キルリア」の「リファイン」で必要なパーツを集める
カウンター性能の強いデッキの為、盤面が整うまで攻めのターンは待ちます。
「フワンテ」と「勇気のおまもり」は必ずセットで手札にあるように「ペパー」を使って準備し、いつでも「サーナイトex」に進化できるようにしておきます。
「フワンテ」でバトルポケモンに大ダメージを与えるための用意をします。
相手のデッキタイプによって「サケブシッポ」を準備してベンチにダメージを与えるかどうかを使い分けます。
「キチキギス」も準備する
「マシマシラ」と相性が良いので、「大地の器」を使用し悪エネルギーをつけて攻撃の準備をしておきます。
特性により、コイントスで相手の手を遅らせることができるかもしれないので、中盤に攻撃しても良いカードです。
《終盤》
きぜつした「フワンテ」を「すごいつりざお」で復活させる
自分に最大限にダメカンをのせて攻撃するので、大体は1発で「フワンテ」はきぜつしてしまいます。
そこで、「すごいつりざお」で山札に返して「ネストボール」や「なかよしポフィン」などを使って復活させます。
「ゴージャスマント」はサイドを2枚取られるリスクがあるので、最後の最後に大ダメージを与える為に使用します。
「カウンターキャッチャー」を利用して相手のベンチに居る強いポケモンを倒す
最後に「フワンテ」で大ダメージを出して勝負を決めたいので、フィニッシュの為のカードを残すことを意識して盤面を進めます。
そのためには「サーナイトex」の「サイコエンブレイス」がかなり大事で、相手からは進化させない為に「キルリア」を狙ってきます。
それも想定しないといけないので、「すごいつりざお」はとても大事なカードといえます。
参考デッキレシピ
※CL札幌の準優勝デッキ
【デッキコード】pySyyp-QCBUpG-RE2My2
デッキコードのリンク先は、ポケモンカードトレーナーズウェブサイトのデッキ表示ページです。
動画:【ポケカ日本一】札幌CLで準優勝したサーナイトex!! 新環境は不利どころか超有利でした
バツローグさんが札幌CLで準優勝デッキのサーナイトexの解説をされています。
まとめ
サーナイトexデッキは、「サーナイトex」の特性「サイコエンブレイス」を使用して、サイドが1枚しか取られない非ルールのポケモンをアタッカーにして戦うデッキです。
その中でも「フワンテ」は「勇気のおまもり」や「ゴージャスマント」をつけてHP330やそれ以上あるポケモンも1発で倒すことができる強力なポケモンです。
カウンター性能の高いデッキなので、相手の手を遅らせるために序盤は「ハバタクカミ」や「ミミッキュ」などをバトル場に出し、相手を妨害しつつベンチをじっくり育てていきます。
「変幻の仮面」の新カード「マシマシラ」や「キチキギス」が「サーナイトexデッキ」と相性がいいので、今後はデッキに入ってくるカードとして要チェックポイントです。
「超エネルギーのみ」の構築から「悪エネルギー採用」の構築が今後主流になる可能性が高いと言えるでしょう。
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